ミャンマー学生医療研修 2014年8月 〜山本櫻子さん〜

ミャンマー学生国際医療研修を終えて                             東京医科大学4年 山本櫻子  

今回ミャンマー学生国際医療研修に参加させていただいたことで、事前にお話しを伺い、想像していた以上に貴重な体験をさせていただくことができました。ミャンマーならではの寄付の慣習により成立する医療制度、限られた医療資源をもとに現地のニーズに応える医療支援活動など、当地を実際に訪れ、現地の方々のお話を伺うことでしかわからないことが数多くありました。中でも、最も心に残る体験は、ワチェ慈善病院での3日間です。  到着した期間は吉岡先生によるミッション期間中であり、病棟には数か月前から予約していた患者さんが家族総出でいらしておられました。ミャンマーでは電力が十分に確保されていないため、現地の方々の朝は早く、必然的にスタッフの方々も早朝から仕事に取りかかられます。朝の7時半から遅い日は夜11時まで、日に15~20人もの手術を行い、同時に毎日50人もの外来を日本人、ミャンマー人スタッフが協力して診察しておられました。ワチェ慈善病院を訪れる患者さんの多くは、手術を必要としながらもお金がなく、他の病院から紹介される方々です。ジャパンハートでは、18歳以下の手術が必要な子供達へ治療費、交通費、食費などを全額支給し、大人の患者さんへも安価で安全な医療を提供しておられます。患者さんが真に望む医療を可能な限り行い、医療者として患者さんのために何ができるのか追求し続ける姿勢に感服いたしました。  御多忙の中、吉岡先生はお時間を割いて私達学生と積極的にお話をしてくださいました。医師として、医療を受けられない方々に医療を届け、また海外で自分が本当に患者さんにしてあげたいと思い描く医療を行える。ジャパンハートの代表として、スタッフを大切にし、現場の要望に迅速に応えることで、患者さんへより利益をもたらすことができる。現代においては医療者と患者さんのコンタクトの場を広げ、社会の一員として自分に何ができるかを常に考え、実行していくことこそが私達に求められている。吉岡先生のお考えに賛同し、長きに渡り多くの方が先生とともに活動されておられる、その理由の一端を垣間見ることができました。  ワチェ病院研修前後には、視覚障害者のための職業訓練施設、Dream train、ヤンゴン市内の有償、無償病院を数か所見学させていただきました。医療保険制度が整えられていないミャンマーでは、医療費は大変高額なものとなります。しかしながら、宗教を問わず寄付の慣習が国民に浸透していることで法人や個人による寄付が盛んに行われ、お金がない患者さんでも無料で医療を受けられる無償病院が、安定した運営を続けることができます。また、日本を含む諸外国からも資金援助や医療器具の寄付が集まり、医療支援団体が定期的に手術ミッションを行っています。それでもなお、CT,MRIを保有する病院は数える程しか存在せず、私立病院では初期救急医療制度も政府による制限があるなど、貧富の差が医療にそのまま影響しているのが現状です。  各病院で院長先生方や医師の方々から実際のミャンマーの医療事情について伺わせていただきましたが、有償、無償病院に限らず共通している点は、医療技術を社会に還元するという意識が大変強いことです。有償病院では安全な医療を提供するというコンセプトのもと、最新の機器を多く導入する一方、Cooperate Social Responsibility という考えから、病院の利益を社会に還元するため、災害援助やモバイルチームによる医療支援など、様々な活動を行っているそうです。見学させていただいた全ての病院や施設で、スタッフの方々はボランティアの精神からこの仕事をしており、人々のために働くことが幸せであると笑顔で語っておられました。  ミャンマーは現在、民主政権に移行している過渡期であり、市内には欧米圏などの先進諸国からの文化が急激に流入しています。国民の多くが携帯電話を持ち、若者が自由なファッションを楽しむ一方、厚く仏教を信仰し、家族の繋がりを尊び、伝統的な文化を大切にする。今後西洋化が進み、人々の価値観や生活が大きく変化していくとしても、他国に類を見ない、慈善の心を大切にし続けてほしいと願わずにはいられませんでした。  最後になりましたが、現地でお忙しいなか大変丁寧に接してくださった吉岡先生、日本人およびミャンマー人スタッフの方々、このような貴重な経験を得る機会を与えてくださったHEART’Sの皆様、一緒に研修に参加した皆様、ミャンマーで出会った全ての方々にこの場をお借りして感謝申し上げます。 

国際協力学生団体 HEART's

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