ミャンマー学生医療研修 2014年8月 〜滝澤知佳さん〜

ミャンマー医療系学生研修に参加して                             関西医科大学4年 滝澤知佳  

帰国して数日がたちますが、ミャンマーでの出来事を今でも毎晩のように夢に見ます。貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。この研修では、医療関連ツアーとしてヤンゴン市内の有償・無償病院を合わせて5つと、視覚障害者支援施設、Dream Train、そしてワッチェ病院を見学させていただきました。初めて経験する事も多く、感じたことを挙げればきりがないのですが、ここでは特に印象に残った事を数点かかせていただくことにします。  まず、ミャンマーに到着してから滞在中に常に感じていたのは、ミャンマーの人々の優しさでした。観光している時から道案内をしてくれたり、目が合えばミンガラーバー(こんにちは)と言い微笑んでくれる。そんなミャンマーに初日から自然と魅かれている自分がいました。ワッチェの病院でも、外来待ちの人や病棟の人たちが気軽に話かけてくれました。食事の時に病棟をまわると、皆自分が食べているご飯やお菓子を分けてくれようとします。(お腹がすいているアピールはしていませんよ)そんな中忘れられない光景があります。ミャンマーでは患者の身の周りの世話は家族がするのが一般的だそうで病棟に一緒に泊まっている家族も多くいらしたのですが、患部が痛んだり、暑くてなかなか寝付けない子供たちのために両親は寝ずにうちわであおぎ続けていました。自分の子が寝てもなお、他人の子供のために仰いでいる方もいました。そんな、誰にでも同じように優しく、心配するミャンマーの人たちを見て、家族のつながりや人同士の温もりを感じました。衛生環境や物質的にはたしかに日本の方が恵まれているのかもしれない。でも、心の豊かさではどうなのでしょうか。  また、ワッチェの病院では、私たちが参加させていただいたミッション期間には一日15件程の手術が行われており、多くの手術を見学させていただきました。疾患としては、陰嚢水腫やヘルニア、甲状腺の腫瘍が多く、やけどや口唇裂などの手術も見ることができました。手術室では日本との環境の違いに大変驚かされました。停電にそなえた多数の懐中電灯や予備電源、ハエ叩きや手作りのガーゼ、様々な物資もできるだけ節約して使っていました。手術は多くは局所麻酔下で行われるので、麻酔があまり効かず痛みに苦しむ患者さんも何人か見ましたが、私はただただ手を握ることしかできず、いたたまれない気持ちになりました。スタッフの方々や術者はそんな患者さんにミャンマー語で話しかけ、安心感を与えていました。限られた資源や環境ではあっても、そこでできる最大限の医療がなされているように思えました。また、手術はミャンマー人と日本人スタッフが合同で行うので、日本語以外に英語も多く使われていて、語学の大切さを感じるとともに、そんな状況の中で確実に意思疎通をしながらオペをこなすスタッフの方々を見てただただ凄いなと感じました。あれほどスムーズなオペを次々に行うには、一人一人が正確でしっかりした知識を持ち、手術の流れを理解しているとともに、事前の細かい情報共有がないとできないことだと思います。実際、毎日一日の終わりにスタッフ全員でミーティングを行い、患者の治療法や様態などについても共有したり勉強されていました。 その他にも、研修期間にはミャンマーの医療の現状や医療格差をはじめ多くの事を学ばせていただきました。Dream Trainでは、子供たちの笑顔に触れ、子供は国の未来であり、どの国においても変わらず守るべき存在だと感じ、社会と密接に関係した子供の貧困など、医療の面以外での問題に対しても考えるきっかけとなりました。  さて、私にとって、この研修で吉岡先生とお話できたこともとても大きな収穫になりました。ミッション期間中のお忙しい中、吉岡先生は幾度となく私達学生とお話する機会を設けてくださいました。ジャパンハートの事、ミャンマーの事や問題点、医療のあり方や思い、私生活…その中でも、“誰をむいて医療をするのか”というお話は特に心に残っています。ミャンマーでの医療は日本ではつい見失ってしまいがちな医療の足元を見直せる場所だと思います。様々な問題の中で、何が正解なのか分からないことは沢山あります。でも、自分も今後どんな状況にあっても、このミャンマーで見た患者さんとの向き合い方は胸に刻んでいようと思いました。また、看護師さんからやけどによる皮膚の癒着や口唇裂などの見た目にわかる傷によって苦しんでいた子供たちが、治療により、性格まで驚くほど明るくなっていくという話を聞き、医療には命だけでなく心や人生を救う力もあるのだと感じさせられました。  世界には生まれた環境が違うだけで、医療の届かない人たちがいる。そして今回、その人たちに医療を届ける現場を見せていただいたことにより、自分の夢は目標になりつつあります。自分にはまだ何の知識もなく、語学力のなさや考えの浅さも嫌というほど痛感させられましたが、この研修で得たものは自分にとってかけがえのないものになりました。残りの学生生活、幅広い視野を持って様々な事に挑戦し、謙虚な気持ちで学んでいきたいと思います。そしていつか、必ずまた国際医療の場にかえってきたいと思いました。最後にはなりましたが、HEART’Sのスタッフの皆様、吉岡先生をはじめとするJapan Heartの先生方やスタッフの皆様、一緒に研修に参加した仲間たち、そしてミャンマーで出会ったすべての人に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。 

国際協力学生団体 HEART's

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