カンボジア学生国際医療研修 8/22~27 大見修也さん(熊本大学医学部二年)

 2013年8月22日から27日にかけて、カンボジアにおけるジャパンハートの活動に参加させて頂いた。  

今年福岡で開催された日本外科学会に参加した際、ジャパンハート代表の吉岡秀人先生のお話を伺う機会があった。医療アクセスの無い地域に医療を届けるべく奔走していらっしゃる先生のお話を伺い、感銘を受けた。是非自分の目でジャパンハートの活動を見てみたい、そう思って今回申し込みをさせて頂いた。  カンボジアの首都プノンペンから車に揺られること2時間。ジャパンハートの一団がペイリアン病院に着いた時、既に院内には診察を待つ患者さんが大勢待っていらっしゃった。到着するなり怒濤のように診察を進めていく先生。てきぱきと作業する看護師さんや通訳の方。私はその勢いに圧倒された。  日中は患者さんと交流したり、回診のお手伝いをさせて頂いたり、オペ室に入れて頂いたりした。  患者さんやそのご家族は皆親切で、指差し会話帳を使いながら必死にコミュニケーションを図ると、身振り手振りを交えて返答してくださった。子供はみな人懐こく、純真だった。彼らに折り紙の折り方を教えると、とても喜んでくれた。  回診のお手伝いで私が力になれたのは、体温や血圧を測定すること等基礎的な事に限られた。しかし、どれも日本で基礎医学を学んでいるだけでは体験できないことであり、大変貴重な経験だった。  手術を見させて頂くのは人生で初めてであった。最初は勝手が分からず、どこにいれば邪魔にならずに済むかということばかり考えていたが、途中からは集中して術野を見せて頂く事ができた。  帝王切開を見せて頂けたことが強く印象に残っている。生命の誕生の瞬間はあまりにもあっけなくて、突然赤ん坊がお母さんのお腹から出てきたことに対する驚きが、新たな命が生まれたことに対する感動を上回ったというのが率直な感想だ。これも日本ではできない得難い経験であった。  日中の業務のみならず、夜勤も見せて頂いた。朝からオペ室で働きづめだった看護師さんが、優しく丁寧に患者さんに話しかけていらっしゃった。無償ではあっても、徹底して患者さんに対して親切にされる看護師さんの働きに胸を打たれた。また夜勤の空き時間には、現地の通訳の方が漢字を勉強していらした。読み込まれた漢字の教科書があまりにボロボロで、通訳の方も日々努力を積み重ねられているのだと知った。  日本の医療の様子を未だしっかりと見た事が無いため、カンボジアの医療に何が不足しているかということを明確に挙げることはできない。しかし、一緒に研修に参加した学生の方や看護師さんのお話を伺っていていると、ペイリアン病院には最低限の医療設備しか備わっていないということがよく分かった。また、人手が足りていないことはスタッフの方々の多忙さから判断できた。  数年後に国内で病院実習を体験し、日本の病院という明確な比較対象を持った時、今回カンボジアでさせて頂いた経験は今の何倍も意味を持つものになることを確信している。  実習の中で度々感じたのは、今私が患者さん方にできることは、医師の先生方や看護師さんに較べてとても少ないのだという「無力感」であった。これは何の資格も持たない学生にとって致し方なく、時間と今後の努力が解決してくれることだ。学生のうちは医学に限らず様々なことを経験し、人間的に成長したい。そしていつか医師になり「無力」でなくなった時、カンボジアに帰って来られたら本望である。  今回僕に貴重な経験をさせて下さった、現地で働かれている医師、看護師、通訳を始めとするジャパンハートのスタッフの方々、Mets-Japanのスタッフさん、そして、短期研修に参加された看護師さん、学生さん、患者さんとそのご家族に感謝の意を表して、体験記を書き終えたいと思います。ありがとうございました。 

国際協力学生団体 HEART's

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