ミャンマースタディーツアー 2012年12月23日~28日 ~加藤祥子さん~

    岐阜大学医学部5年 加藤祥子 

 私は中学生の時、貧しい国に医療を届けるという国際ボランティアの活動をテレビで見て医師を目指しました。しかし、その活動が敷居の高いものに感じ、大学入学後も部活やバイトをする日々が続きました。このままではいけない、学生の間に現地に行ってみたい、と思い今回思い切ってツアーに参加しました。 スタディツアーではワチェ病院、Dream train、視覚障害者施設、ヤンゴン市内にある4つの病院に行かせていただきました。 ① ワチェ病院 ワチェ病院では患者さんとお話しさせて頂いたり、外来・手術・回診の見学とお手伝いをさせて頂いたりしました。患者さん達は病気を抱え、自宅からはるばるやっていてきているはずなのにみなさん明るく、優しい方ばかりで、目が合うだけで微笑んでくださったり、ミャンマー語で挨拶すると喜んで返してくださいました。また持参した折り紙で一緒に作品を作るうちにどんどん人が集まってきて、お礼にみかんやバナナをくださったりしました。病棟は常に患者さんの家族、親せきの方であふれていて、普段日本の病院でみている光景とは全く違いました。確かに日本ではもっと清潔な環境で進んだ医療を受けることができますが、家族に囲まれ、楽しく入院生活をするということは非常に少ないと思います。また、手術は一日10-20件ほどあり、限られた器具・スペースで行われていました。全ての手術が局所麻酔で行われ、ほとんどの患者さんは術後歩いて病室に戻っていました。また、入院ベッドも限られているため、多いときにはベランダなども埋まるほどだそうです。日本では全く考えられませんが、ここではここでできる最善をつくす上で仕方のないことだとお聞きしました。その土地に合った医療の在り方があり、それに合わせた医療を提供しているからこそ遠方からもたくさんの患者さんがやってくるのだな、と思いました。そしてその姿勢はスタッフのみなさんの生活にも表れており、毎朝5時30分に起き、瞑想、掃除をされていました。実際に共に宿泊をさせて頂きましたがこれを毎日、休みの日も欠かさずやらなければならないのは本当に大変だと感じました。しかし、普段からこのような努力をされているからこその活動なのだと思いました。 また、吉岡先生とお話しさせていただく時間があり、生涯役に立つような貴重なお話をたくさんお聞きすることができました。スタッフのみなさんもとても温かく接してくださり、たくさんの質問にも答えて頂き大変お世話になりました。ありがとうございました。 ② Dream train Dream trainにいる子供達は人身売買などの危険にさらされている地域から親元を離れて来ています。正直行く前は、どう接すればいいのか不安な気持ちがありました。しかし持参した遊び道具を出すと少しずつ子供達が寄ってきてすぐに遊びに夢中になりました。言葉は通じませんが、ジェスチャーや表情でコミュニケーションをとりました。大縄をやったのですが、縄をまわしていると途中で代わってくれてみんなと一緒に跳ばせてくれたり、バレーボールをやったときもボールを私たちに打たせてくれたりなど優しい子ばかりでした。靴を並べる、きちんと挨拶するなどみんな礼儀正しかったです。そして帰るときには校舎の中から窓にへばりついて、私達の姿が見えなくなるまで見送ってくれて、とても感動しました。子供の持つエネルギーに圧倒され、元気をもらい、幸せな気持ちになりました。Dream trainのみなさん、遊んでくれてありがとうございました。 ③ 視覚障害者施設 視覚障害者施設は全国の盲学校で医療マッサージを教えることのできる先生を育成するための施設です。学費・生活費は全て無料で提供されています。実際に授業を見学させていただきましたが、どの学生も積極的で、質問や発言も多く、はつらつとしていました。施設で唯一の先生である日本人の塩崎先生は「ミャンマーの学生たちはどこの生徒よりも輝いて見える。自分が学ぶことのほうが多いです。」とおっしゃっていました。また、「たとえ病気治せなかったとしても、その患者さんの人生はその先も続く。次につなげられる医療者になってください」とおっしゃり、胸に響きました。大学で普段から‘病気だけでなく人を診ることのできる医師になりなさい‘と言われてきましたが、その言葉の具体的な意味が自分なりに理解できた気がしました。 ④ ヤンゴン市内の病院  ジャパンハートの活動とは関係なく、実際にヤンゴンで診療を行っている病院にも見学に行かせていただきました。4つのそれぞれ異なる病院に行かせていただきましたが、貧富の差をかなり感じさせられました。裕福な病院にはCTもあり、病院自体も新しくて綺麗でまるで日本の都市部にあるような病院のようでした。一方で、たくさんの患者さんが待ち、病院内に当たり前のように猫が寝ているような衛生的でない病院、検査器具のほとんどが寄付で成り立っている病院もありました。まだまだ裕福な病院は少ないようでしたが、これからどんどんミャンマーが発展していくうちにもっと格差が広がって医療にも格差がでてしまうことが予想でき、心苦しかったです。 ツアーには日本語を話せる現地のガイドさんがついてくださって、ミャンマーの生活・文化を学ぶことができました。特に驚いたのは寄付の文化で、寄付をすることで自分の人生が豊かになるという考えから、ミャンマーではどんな貧しい人でもお寺やお坊さんに寄付をするそうです。私はこの文化こそがミャンマーの人々の優しさ、フレンドリーさに繋がるものだと感じました。発展していく中でもなくさないでほしい文化だと思います。 このツアーを通じて、豊かさとは何か、幸せとはどういうことかということを考えさせられました。吉岡先生がお話の中で本当の豊かさとは服が着れて、食べ物が食べれることだとおっしゃっていましたが、本当にそうだなとミャンマーで過ごしてみて思いました。ミャンマーには日本が失ってしまったであろう人々の豊かさがたくさんみられました。また、帰国してからも当たり前のように温かい家に家族と住むことができ、清潔な水が飲め、ごはんを食べられることにとても幸せを感じました。また、たとえお金があったとしても、進んだ医療が受けられたとしても、それはその土地に住む人にとっては必ずしも幸せなことではないのかな、と思いました。そしてこのことはミャンマーという国に関わらず、どこの国でも、そして日本の中でもいえることだと思います。日本の中でも地域によって求められる医療、求める幸せは違ってくると思いました。私の住む県はお年寄りも多く、温かい土地柄がミャンマーと少し重なる部分があるような気がして、今回のツアーで感じたことを生かしたい、と考えています。  最後になりましたが、今回このような貴重な経験をさせて頂けたのもMets-japanのスタッフのみなさん、ジャパンハートのスタッフのみなさんをはじめツアーに関わってくださった全ての皆様のおかげです。心よりお礼申し上げます。 

国際協力学生団体 HEART's

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